看護師は、医療従事者として患者さんの命を預かり、多大なプレッシャーの中で業務に励んでいます。その裏側では、それだけ神経をすり減らしているにも関わらず、満足いく報酬が得られずに不満を漏らす方が少なくないようです。今回は、看護師の中で給与への不満がなぜ生まれているのか、その背景と現場の声をお届けします。
給与に不満を感じる大きな理由の一つに、膨大な業務量が挙げられます。実際、看護の仕事は患者さんのケアだけでなく、記録業務や多職種との連携など、多岐にわたっています。加えて、日勤・夜勤の不定期なシフトで残業も多く、休みの日にオンコール対応があったり、外部の勉強会に参加したりと、仕事に費やす時間は非常に多いです。にも関わらず、あまり報酬のメリットがないならば、「見合っていない」と不満をこぼすのは当然といえます。こうした仕事の重さと、収入のバランスが取れていないことが、不満の根源にあるようです。
次に、精神的疲労の大きさが、給与への不満につながることも考えられます。看護師は、患者さんやそのご家族の感情に寄り添う「感情労働」を日々行っています。クレーム対応や命に関わる場面に直面することもあり、精神的な負担は計り知れません。このような心身の負担に対し、十分な対価が支払われていると感じられない例が多いようです。特に、精神的な疲労は目に見えないこともあり、その重要性や大変さが正しく評価されていないことに対し、人々は不満を抱いているようです。